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アリフレックス

Arriflexはドイツの映画撮影機材メーカーです。1924年に発表された世界初の反射式カメラである「アリフレックス35」は、撮影中にレンズを通した正確な映像を確認できる画期的なシステムで、映画製作の現場に革命をもたらしました。

アリフレックスを解説するイメージ(監修・神野富三)

Arriflex社は、創業者であるアウグスト・アーノルド(August Arnold)とロベルト・リヒター(Robert Richter)によって1917年に設立されました。

アリフレックス35は、それまで困難であった移動撮影や手持ち撮影を容易にし、映画表現の自由度を飛躍的に向上させた功績は計り知れません。


その功績は、単に革新的なカメラを開発しただけに留まらず、堅牢性と信頼性の高さから、プロフェッショナルな映画製作者にとって 不可欠な存在となり、長年にわたり業界標準としての地位を確立しました。第二次世界大戦という困難な時期を経ても、アリフレックスは技術革新への歩みを止めず、16mmフィルムカメラやカラー映画に対応したカメラなど、時代のニーズに応じた多様な製品を開発し続けました。


特に、1960年代に登場した「アリフレックス35BL」は、その静音性と安定性から、スタジオ撮影における標準機として広く採用されました。その後も、軽量化と高性能化を両立させた「アリフレックス435」や、デジタルシネマの時代に対応した「アレクサ(Alexa)」シリーズなど、常に最先端の技術を投入した製品を市場に投入し、映画製作の進化を牽引してきました。


また、カメラだけでなく、レンズ、照明機材、アクセサリーなど、映画製作に必要な幅広い製品ラインナップを提供することで、総合的なソリューションプロバイダーとしての地位を確立しています。

映像制作会社としての視点


1970年代までは、アリフレックスBL(ブリンプ付き、静音設計)などのフィルムカメラは、多くのプロダクションが保有する標準的な撮影機材でした。当時のビジネス映像、企業PR映画、教育映画などは16mmフィルムで制作されることが一般的であり、アリフレックスはその中心的な存在でした。


しかし1980年代以降、ビデオカメラの普及によりフィルムは急速に衰退し、ビジネス映像制作の現場からフィルムカメラは姿を消しました。現在では、アリフレックスの名前を知る制作者も限られ、実際にフィルムで撮影した経験を持つスタッフは高齢化しています。

アリフレックスは、日本のビジネス映像制作の黎明期を支えた重要な存在でしたが、デジタル化の波によってその直接的な影響力は失われ、今では歴史の一部として記憶されるに留まっています。

現在のアリフレックス(ARRI)社は、劇場映画やハイエンドなコマーシャル映像の分野において、世界最高峰のデジタルシネマカメラメーカーとしての地位を確立しています。

執筆者・神野富三

名古屋の映像制作会社・株式会社SynApps代表取締役プロデューサー

シナリオ・演出・編集まで一貫して手がける映像プロデューサー・ディレクターとして40年にわたり映像制作に携わる

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