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.bmp(ビーエムピー)

Windowsで標準的に用いられてきたビットマップ形式の画像ファイルであり、その拡張子です。
内部的には DIB(Device Independent Bitmap)構造を持ち、表示デバイスに依存しない形式として設計されました。

.bmp(ビーエムピーを解説するイメージ(監修・神野富三)

画像を小さな点(ピクセル)の集合として表現するラスター形式で、各ピクセルが色情報を持ち、それらが格子状に並ぶことで画像を構成します。この性質はJPEG、PNG、GIF、TIFFなど他のラスター形式にも共通します。

そのため、拡大するとピクセルが目立ち、ギザギザやぼやけが発生します(これはBMP固有の性質ではありません)。



.bmpの特徴


非圧縮が基本


BMPは基本的に非圧縮形式です(RLEによる可逆圧縮にも対応しますが、一般的ではありません)。

そのため、

  • 圧縮による画質劣化は発生しません

  • ピクセル情報をそのまま保持します

ただし、これは「特別に高画質になる」という意味ではなく、元データの品質をそのまま保持するという性質です。PNGも可逆圧縮であり、同様に劣化は起きません。



ファイルサイズが大きい


非圧縮であるため、解像度が高くなるほどファイルサイズは大きくなります。ストレージ容量や転送速度の面では効率的とは言えません。



色深度の対応


1bit、4bit、8bit(インデックスカラー)、24bit(RGB)、32bitなど、複数の色深度に対応しています。

※32bit BMPではアルファチャンネルを持つことも可能ですが、互換性は限定的です。



Windowsとの高い互換性


歴史的にWindows標準形式として普及してきたため、Windows環境での互換性は非常に高い形式です。ただし、現代ではPNGやJPEGも標準対応しているため、BMPだけが特別有利というわけではありません。



適している用途


  • 圧縮による劣化を避けたい一時保存

  • シンプルな構造を活かしたプログラム処理用途

  • Windows環境での簡易的な画像利用



不向きな用途


  • Web用途(ファイルサイズが大きい)

  • オンライン共有(転送効率が悪い)

  • 印刷入稿用途(カラーマネジメント対応が弱い)

  • 透明背景を必要とする用途(一般的な24bit BMPでは非対応)



他のラスター形式との違い


  • BMP:基本は非圧縮。シンプルだが拡張性は低い。

  • JPEG:非可逆圧縮。高圧縮率だが画質劣化あり。

  • PNG:可逆圧縮。透明度対応。Web用途で広く使用。

  • GIF:可逆圧縮。256色まで。アニメーション対応。

  • TIFF:非圧縮・可逆圧縮・非可逆圧縮に対応。高ビット深度・CMYK対応など拡張性が高く、印刷業界で広く使用。

映像制作会社としての視点


映像編集における .bmpの扱い:「選ぶ理由がない」形式


現代の映像制作で使われる画像形式は、.png や .jpg、場合によっては .tga や .psd などが主流です。一方で .bmp はほとんど見かけません。それは .bmp が劣っているからというよりも、現代のワークフローに最適化されていない形式だからです。



1. BMPの基本的な性質


BMPは、Windows標準形式として広く普及した画像フォーマットです。基本仕様は「非圧縮」です(RLE圧縮に対応する派生もありますが、実務ではほぼ使われません)。


画質劣化がない

非圧縮であるため、JPEGのような圧縮ノイズは発生しません。
読み込まれた画像は、いわば「そのままの画素データ」です。


デコード負荷が小さい(理論上)

圧縮画像のような「解凍処理」を必要としないため、理屈の上ではCPU負荷は低い形式です。
ただし現代の編集環境では、.png や .jpg のデコード負荷はほぼ無視できるため、この利点は実務上あまり意味を持ちません。むしろ問題になるのはストレージ帯域です。非圧縮であるぶん、ディスクI/Oを多く消費します。



2. 編集ソフト上での弱点


① アルファチャンネルを持たない(一般的な24bit BMP)

これが最大の制約です。ロゴ、テロップ、UIパーツなど、現代の映像制作では透明背景は前提機能です。.bmp(一般的な24bit)にはアルファチャンネルがありません。そのため、

  • 背景をクロマキーで抜く

  • 事前に別形式に変換する

といった余計な工程が発生します。


※32bit BMPにはアルファ対応仕様もありますが、互換性が低く、制作現場ではほぼ使われません。



② ファイルサイズが大きい

非圧縮であるため、解像度が上がると容量が急激に増えます。たとえば4K(3840×2160)の24bit BMPは、1枚あたり約24MBになります。これが多数存在すると、

  • プロジェクトの読み込み速度

  • バックアップ容量

  • ネットワーク共有時の転送速度

すべてに影響します。

PNGであれば可逆圧縮のまま容量を大きく抑えられます。



3. なぜ現代では選ばれないのか


BMPは「問題がある形式」というより、他に、より合理的な選択肢があるという状態です。


  • 可逆+軽量 → PNG

  • アルファ重視 → PNG / TGA

  • レイヤー保持 → PSD

  • 高品位アーカイブ → TIFF


どの用途にも、より適した形式が存在します。

BMPは歴史的には重要な形式ですが、現代の制作目的に対して“特別な優位性を持たない”のです。

執筆者・神野富三

名古屋の映像制作会社・株式会社SynApps代表取締役プロデューサー

シナリオ・演出・編集まで一貫して手がける映像プロデューサー・ディレクターとして40年にわたり映像制作に携わる

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