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カスタマージャーニー

顧客が商品やサービスを認知し、興味を持ち、比較・検討して購入に至り、その後も利用や継続をしていくまでの一連の体験を、時間の流れに沿って捉える考え方です。

カスタマージャーニーを説明している画像

この過程を、顧客の行動や感情、企業との接点(タッチポイント)とともに可視化したものを「カスタマージャーニーマップ」と呼びます。


顧客は、広告を見て初めて企業や商品を知ることもあれば、検索によってウェブサイトを訪れ、SNSや口コミを確認し、店舗や営業担当者との接触を経て購入を決めることもあります。購入後には、使用体験やサポート、企業からの情報提供などが、その後の評価や継続利用に影響します。

カスタマージャーニーでは、こうした接点を個別に考えるのではなく、顧客側から見た一連の体験として捉えることが重要です。

映像制作の現場から


映像を「何のために作るのか」を考える


企業が映像を制作するとき、「会社案内映像を作りたい」「製品紹介動画が必要」「採用動画を作ろう」といったところから話が始まることがあります。

しかし、本来その前に考えておきたいのが、その映像を誰が、どのような状況で見るのかということです。

同じ会社案内映像でも、その会社を初めて知った人に見せる映像と、すでに取引を検討している人に見せる映像では、求められる情報が違います。

製品紹介映像も同様です。まだ製品を知らない人に興味を持ってもらう映像と、競合製品との比較をしている人に技術的な優位性を説明する映像では、目的も構成も異なります。

カスタマージャーニーという考え方は、こうした「視聴者がいま、どの段階にいるのか」を考える手がかりになります。



1本の映像ですべてを伝えようとしない


企業映像では、会社の歴史、事業内容、技術力、製品、社員、企業理念など、多くの情報を盛り込みたくなるものです。

しかし、顧客が必要とする情報は、その時々によって変化します。

企業を初めて知った段階では、「何をしている会社なのか」が分かることが重要かもしれません。比較・検討の段階では、技術力や実績、他社との違いが判断材料になります。購入や契約の直前であれば、品質保証やサポート体制への不安を解消する情報が必要になるでしょう。

映像をカスタマージャーニー上のどこに配置するのかを考えることで、その映像で何を伝えるべきか、逆に何を伝えなくてもよいのかが見えてきます。



採用映像にもカスタマージャーニーがある


この考え方は、商品やサービスの販売だけに限りません。

採用活動でも、企業を初めて知った学生、興味を持って採用サイトを訪れた学生、応募を検討している学生、選考中の学生、内定後に入社を判断している学生では、知りたいことも抱えている不安も異なります。

認知段階では企業や仕事への興味を生み出す映像が有効かもしれません。一方、応募を検討する段階では具体的な仕事内容や職場環境、内定後には社員の価値観や企業文化を伝える映像が重要になることがあります。

つまり、映像の企画は「何を撮るか」から始まるとは限りません。

誰が、いつ、なぜこの映像を見るのか。

カスタマージャーニーを考えることは、企業映像の目的を明確にし、その目的にふさわしい内容や表現を決めるための方法のひとつです。

最終更新日

2026年8月22日 17:16:18

執筆者・神野富三

名古屋の映像制作会社・株式会社SynApps代表取締役プロデューサー

シナリオ・演出・編集まで一貫して手がける映像プロデューサー・ディレクターとして40年にわたり映像制作に携わりながら

​ビジネス映像制作のノウハウを伝承する「名古屋映像設計研究所」を主宰

 執筆者ブログ「映像制作ガイドブック」

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