デルマ(ダーマト)とは
ガラスや金属、フィルムなど、普通の鉛筆では書きにくい滑らかな面にも書くことが できる筆記具ですが、映像制作の現場においてはフィルムやオーディオテープの編集点、レンズのフォーカスやアイリスの目盛の覚え、物撮り時の物の設置位置(バミリ)を示すためなどに使われてきました。
デルマの語源
正式には「ダーマトグラフ(Dermatograph)」と呼ばれる筆記具で、「derma、dermato-」は皮膚、「graph」は書く・記すという意味につながる言葉です。もともとは皮膚に直接マーキングできる筆記具として医療分野などで使われました。
日本では三菱鉛筆の「ダーマトグラフ」がよく知られ、「DERMATOGRAPH/ダーマトグラフ」は同社の登録商標です。芯の周囲に巻かれた紙を糸で切りながら剥がして芯を出す、独特の構造をしています。
映像制作の現場では「ダーマト」「デルマ」などと呼ばれてきました。
映像制作の現場から
撮影現場でのデルマ
撮影では、レンズのフォーカスリングなどに「覚え」を付けるために使われてきました。
たとえば人物がA地点からB地点へ移動する場合、それぞれの位置でフォーカスを合わせ、リング上の対応する位置にデルマで印を付けます。本番では、その印を目安にフォーカスを送ります。
同様に、撮影中に絞りを変える場合、アイリスリングの位置をマーキングする用途にも使われました。
普通の鉛筆では書きにくい滑らかな面にもはっきり印を付けられ、不要になれば拭き取れるという性質が、撮影機材への一時的なマーキングに適していたのです。
しかし、現在では代替手段が数多くあるため、撮影助手やADの必携道具ではないようです。
フィルムや6mmテープの編集
フィルム編集でもデルマは重要な道具でした。
デジタル編集以前は、映像を確認しながら編集点を探し、その位置をフィルムにマーキングして、実際にフィルムを切断してつないでいました。その「ここを切る」という位置を示すためにデルマが使われました。
同じことは音声編集にもいえます。
6mm(1/4インチ)オープンリールの磁気テープでは、音を再生しながら編集点を探し、その位置をデルマでテープにマーキングします。印を基準にテープを切断し、必要な部分をスプライシングテープでつないで編集しました。
最終更新日
2026年8月11日 20:34:33

