実景
一般には、実際に存在するありのままの景色や情景を指す言葉です。映像制作では 、ドラマや映画などで、人物の芝居とは別に撮影される場所・風景・建物・街並み・室内などの映像を指します。
作品の舞台となる土地や建物、時間帯、天候、季節などを見せるために使われます。
たとえば、
街の全景
駅前
住宅街
山や海
建物の外観
誰もいない室内
道路や交差点
夜景
空や雲
などが実景として撮影されます。
人物が映っていないことが多いものの、人物の有無だけで実景かどうかが決まるわけではありません。主眼が「場所や環境を見せること」にある映像を、実景と呼ぶことがあります。
実景の役割
場所を示す
実景は、物語がどこで進んでいるのかを視聴者に伝えるために使われます。
建物の外観を見せた後に室内のシーンへ切り替えることで、
「この建物の中で次の場面が始まる」
ということを自然に理解させることができます。
このような使い方は、映画やテレビドラマで非常によく見られます。
時間を示す
同じ場所でも、朝、昼、夕方、夜では印象が大きく変わります。
朝の街並みを見せれば一日の始まりを、夜景を見せれば夜になったことを、セリフを使わずに伝えることができます。
季節を示す
桜、紅葉、雪、強い日差しなどを見せることで、季節を視覚的に伝えることができます。
物語の時間経過を示すために、同じ場所を季節を変えて撮影することもあります。
場面転換に使う
あるシーンから別のシーンへ移る間に実景を入れることで、場所や時間の変化を分かりやすくできます。
たとえば、
室内での会話
↓
夜の街並み
↓
別の場所でのシーン
という構成にすれば、時間と場所が移動したことを説明なしで伝えられます。
「引きの画」とは違う
実景は、ショットサイズを表す言葉ではありません。
広い風景を撮ったロングショットだけでなく、看板、信号機、窓、街灯、室内の一角などを撮った寄りの映像でも、場所や環境を示す目的であれば実景として使われることがあります。
したがって、
実景=広い風景
という意味ではありません。
ロケーションとの関係
実景は、実際のロケーションで撮影されることが多くあります。
ドラマでは、本編の芝居を撮影する前後に、
建物外観
周辺道路
駅
空
街並み
夜景
看板
建物内部
などをまとめて撮影しておくことがあります。
編集段階で場面転換や時間経過を表すために必要になることが多いためです。
映像制作の現場から
実景撮影で注意すること
時間帯
太陽の位置によって建物や風景の見え方は大きく変わります。
朝日、順光、逆光、夕景、夜景など、作品の設定に合った時間帯を選びます。
天候
晴天、曇天、雨、雪などによって画面の印象が変わります。
複数日にわたって撮影する場合は、前後のシーンとの天候のつながりにも注意が必要です。
季節
植物、服装、日の長さ、積雪などから季節が分かることがあります。
物語上の季節と実際の撮影時期が異なる場合には、画面に映り込む要素を確認します。
人や車の映り込み
実景では、通行人、自動車、看板などが意図せず映り込むことがあります。
時代設定のある作品では、現代の車両や看板が映り込むと成立しないため、撮影場所や時間帯を慎重に選びます。
最終更新日
2026年10月16日 16:43:45
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