アウトロ
楽曲や動画などの終結部分を指す言葉です。音楽ではイントロ(intro)と対になる後奏部分、動画で は本編終了後のロゴ、クレジット、チャンネル登録などを促す終了画面を指します。特にYouTubeをはじめとするネット動画の普及によって、映像制作の領域でも広く使われるようになった呼称です。
音楽では楽曲の終結部分、YouTubeなどの動画では本編終了後のエンディング部分を指します。また近年は、動画編集ソフトにおいて、テロップやグラフィックが画面から消えていく部分のアニメーションを「アウトロ」と呼ぶ例もあります。
ただし、アウトロは「イントロ」のように、昔から音楽や映像制作の現場で広く使われてきた言葉ではありません。また、今も特定の業界や社会で一様に使われている用語でもありません。
現在の「アウトロ」
現在、「アウトロ」には少なくとも次のような用法があります。
音楽
楽曲の終結部分。「エンディング」「コーダ」「後奏」などと呼ばれる部分を指して使われます。
YouTubeなどの動画
本編終了後に置かれるエンディング部分を指します。
動画編集・モーショングラフィックス
テロップやグラフィックの末尾に設定された退出・消失アニメーションを指します。
「イントロ」の反対として生まれた言葉
アウトロは英語で outro と書きます。
「イントロ(intro)」は introduction の短縮形ですが、outroは何かの長い単語を短縮したものではありません。intro の「in」に対して「out」を当てはめて作られた言葉です。
英語辞書Merriam-Websterでは、outroの初出を1967年としています。同年にイギリスのBonzo Dog Doo-Dah Bandが発表した楽曲には、実際に「The Intro and the Outro」という題名が付けられています。つまり、少なくとも英語圏では1960年代後半には存在していた言葉です。
日本の音楽界ではどうだったのか
日本では楽曲の終結部分は、「エンディング」「コーダ」「後奏」などと呼んできました。演奏するジャンルや職種によっては「最後」「ケツ」など、もっと実務的な呼び方も使われてきました。
日本で「アウトロ」がいつ、どの分野から使われ始めたのかを明確に示す資料は乏しく、その普及時期を特定することは困難です。少なくとも、世代、音楽ジャンル、演奏・作曲・録音といった職種によって、言葉の使用にはかなり差があったと考えたほうがよいでしょう。
2000年代以降に目立つようになった「アウトロ」
2000年代になると、日本でもポピュラー音楽の教則書、楽譜、DTM関連の記事などで「アウトロ」という表現が目立つようになります。
ここでは、
イントロ → Aメロ → Bメロ → サビ → …… → アウトロ
のように、楽曲構成を説明するための名称として使われます。
「イントロ」に対して「アウトロ」という言葉は非常に分かりやすく、楽曲構成を模式的に説明するには便利です。ただし現在でも、すべての音楽分野でアウトロに統一されたわけではありません。依然として「エンディング」「コーダ」「後奏」なども使われており、どの言葉が自然かは音楽ジャンルや世代、職種によって異なります。
YouTubeでは動画そのものの終わりを「アウトロ」と呼ぶ
インターネット動画の普及によって、「アウトロ」は音楽以外にも使われるようになりました。YouTubeなどでは、本編の前につける短いオープニング映像を「イントロ」、本編終了後につける映像を「アウトロ」と呼ぶことがあります。
アウトロには、チャンネル名やロゴ、登録の案内、関連動画への誘導などが配置されることがあります。
従来のテレビ番組制作でいえば「エンディング」に近いものですが、YouTubeを中心とした動画制作では、英語圏の intro / outro という呼称も使われるようになりました。ここでアウトロは「楽曲の終結部分」から、動画の終結部分へ意味を広げています。
動画編集ソフトではさらに別の意味も
さらに近年では、アウトロという言葉が一つの動画作品よりも小さな単位にまで使われています。Adobe Premiereでは、モーショングラフィックスの時間を変更しても、冒頭と末尾のアニメーション時間を維持する「レスポンシブデザイン」の機能があります。Adobeはここで、グラフィックの冒頭部分を「イントロ」、末尾部分を「アウトロ」と呼んでいます。たとえば人物紹介のテロップが、
出現する → 表示される → 消える
という動きをする場合、
イントロ → 可変部分 → アウトロ
と考えます。
イントロとアウトロの時間を固定しておけば、テロップ全体の表示時間を長くしたり短くしたりしても、出現と消失のアニメーション速度を変えずに使用できます。Adobe Premiereでは現在、「イントロの長さ」「アウトロの長さ」という名称が実際に使われています。
映像制作の現場から
「アウトロ」は、映画、テレビ、CM、企業映像などの制作現場で、古くから共通して使われてきた映像制作用語ではありません。
映像やテロップの始まりと終わりについては、「IN/OUT」「入/出」「フェードイン/フェードアウト」など、以前からさまざまな言葉が使われています。作品の終わりなら「エンディング」という言葉もあります。
ところが現在では、YouTubeなどを通じて映像編集を学ぶ人も増え、Premiereなどの編集ソフトが採用した用語が、そのまま動画編集の言葉として使われることがあります。そのため「アウトロ」という言葉を知っているか、どの意味で理解するかには、世代だけでなく、音楽や映像のジャンル、職種、さらには技術をどこで学んだかによる違いがあります。長く映像制作に携わっている人には馴染みがない一方、動画編集ソフトのチュートリアルを通じて編集を学んだ人には、ごく普通の言葉であることもあり得ます。
最終更新日
2026年8月29日 16:47:16

