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プロマネ

映像制作の分野ではプロダクションマネージャー(Production Manager)の略称と捉えるのが一般的ですが、動画編集者の間では、動画編集ソフトAdobe Premier Proに搭載されている「プロジェクトマネージャー」という機能を指す場合があります。

3つのプロマネを三分割画面でイメージにしている

プロダクションマネージャー


映像制作の現場で古くから使われてきた「プロマネ」は、Production Managerを意味します。「PM」と略されるほか、日本語では「制作進行」とう職名で、現場では親しみを込めて「進行さん」と呼ばれることもあります。


プロダクションマネージャーは、プロデューサーの配下として決められた企画や制作方針に基づいて、いつ、どこで、誰が、何を使って撮影・制作するのかを具体化し、それに必要な手配と進行管理を行う仕事です。

撮影スタッフや出演者への連絡・手配、ロケーションやスタジオの確保、撮影機材や車両の手配、香盤やスケジュールの作成、撮影当日の進行、編集やMAなど後工程との連絡、制作費の管理など、その仕事は多岐にわたります。

制作規模によって仕事内容や権限には違いがありますが、多数の人や会社が関係する映像制作では、それぞれの予定や条件を調整し、制作を予定どおり進めていくために欠かせない役割です。



Premiere Proの「プロマネ」


一方、近年の動画編集者の間では、Adobe Premiere Proに搭載されている「プロジェクトマネージャー(Project Manager)」という機能を「プロマネ」と呼ぶことがあります。

これは、編集で使用した映像、音声、画像などの素材とプロジェクトファイルを収集し、別の保存場所へまとめるための機能です。編集作業を別の人へ引き継いだり、終了したプロジェクトを保存したりするときに利用されます。

そこから転じて、この機能を使ってまとめたプロジェクトデータ一式についても、

「プロマネを送る」
「プロマネで納品する」

などと表現されることがあります。

この場合の「プロマネ」は、人の職種ではありません。



プロジェクトマネージャー


さらに映像制作に隣接する広告、広報、Web制作、イベント、システム開発などの分野では、プロジェクトマネージャー(Project Manager)を「プロマネ」と略すことがあります。

プロジェクト全体の目的、工程、予算、関係者などを管理し、計画した業務を進める責任者を指します。

たとえば企業が新製品を発表するために、Webサイト、展示会、パンフレット、広告、映像などを一体として展開する場合、そのプロジェクト全体を管理するプロジェクトマネージャーがいて、その中の映像制作を担当する制作会社にはプロダクションマネージャーがいる、ということもあります。


どちらも「PM」、日本語では「プロマネ」と略すことができるため、文脈によって意味を判断する必要があります。



映像制作の現場から


長く映像制作の仕事をしている人にとって、「プロマネ」と聞いて最初に思い浮かぶのは、プロダクションマネージャーでしょう。

ところが現在、「動画編集」「Premiere Pro」といった領域では、まったく違う意味で「プロマネ」という言葉が頻繁に使われています。

動画編集の仕事では、編集者から別の編集者へ作業を引き継いだり、発注者へ編集データを渡したりするために、Premiere Proのプロジェクトマネージャー機能を使って、プロジェクトファイルと使用素材をまとめることがあります。このデータ一式を「プロマネ」と呼び、

「プロマネを送ってください」
「プロマネで納品してください」

といった使い方もされています。



プロマネのやりとりはトラブルのもと


そして、この「プロマネ一式」の受け渡しが、動画編集者と発注者、あるいは編集者同士の軋轢を生んでいるようです

プロジェクトを渡せば、相手の環境でもそのまま編集を再現できるとは限りません。素材の収集漏れやリンク切れ、使用しているフォントやプラグインの違い、After Effectsとの連携などによって、受け取った側で正常に開けないことがあります。


さらに問題になりやすいのが、使用素材です。編集者が購入した音楽、ストックフッテージ、テンプレートなどは、その編集者が映像制作に使用することは認められていても、素材データそのものを別の人へ渡すことまでは認められていない場合があります。

そのため、「プロマネ一式をください」と言われても、編集に使ったものを何でも一緒に渡せるわけではありません。


また、完成映像だけを納品する仕事だったのか、編集可能なプロジェクトデータまで納品する仕事だったのかという認識の違いが、後になって表面化することもあります。

Premiere Proの「プロジェクトマネージャー」は、本来はプロジェクトと使用素材を収集・管理するためのソフトウェア上の機能です。しかし動画編集の仕事が広がるにつれて、「プロマネ」という言葉は、その機能だけでなく、編集作業の引き継ぎや納品をめぐる実務上の言葉としても使われるようになっています。

最終更新日

2026年8月29日 16:44:40

執筆者・神野富三

名古屋の映像制作会社・株式会社SynApps代表取締役プロデューサー

シナリオ・演出・編集まで一貫して手がける映像プロデューサー・ディレクターとして40年にわたり映像制作に携わりながら

​ビジネス映像制作のノウハウを伝承する「名古屋映像設計研究所」を主宰

 執筆者ブログ「映像制作ガイドブック」

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