シーケンス
ノンリニア編集においては複数のショット(映像素材)を 時系列に並べて構成した一連のまとまりのことですが、もともとは英語で「連続」「順序」「一続きのもの」などを意味する一般名詞です。
映像制作におけるシーケンス
映画やテレビなどの映像制作でも、シーケンスという言葉は古くから使われてきました。映像は、基本的には小さな単位から大きな単位へ組み立てられていきます。
カット(ショット) → シーン → シーケンス → 作品全体
たとえば刑事が犯人を追う場面を考えてみます。刑事が車に乗り込む。車が街を走る。犯人の車を発見する。追跡が始まる。交差点を曲がる。犯人が車を捨てて逃げる。刑事も車を降りて追う。撮影場所も時間も異なり、それぞれはいくつものカットやシーンから構成されています。しかし「犯人を追跡する」という一つのまとまった展開として見ることができます。これが「追跡シーケンス」です。
したがってシーケンスとは、複数のカットやシーンが、ある展開や目的によって一つのまとまりを形成した映像上の単位です。
編集ソフトの「シーケンス」は少し意味が違う
Avid Media ComposerやPremiere Proなどの編集ソフトでは、編集する映像の単位を「シーケンス」と呼びます。この用法が広く普及したことで、シーケンスを「編集ソフト上のタイムライン」を意味する言葉だと理解する人が増えました。
映像制作の現場から
ノンリニア編集において、シーケンスをどう扱うかは「編集のスピード」と「ミスの少なさ」に直結します。
1. 「機能別」にシーケンスを分ける
1本の長い動画を1つのシーケンスで完成させようとするのは、初心者によくある罠です。プロジェクトが重くなり、ミスも増えます。
パーツ別(シーン別): 「オープニング」「本編A」「インタビュー」「エンディング」のように、シーンごとにシーケンスを分けて編集します。
工程別: 「カット編集用(色やテロップなし)」「完成版(仕上げ)」のように、段階ごとにシーケンスを複製して進めます。
メリット: 万が一データが壊れても被害が最小限で済み、動作も軽くなります。
2. 「ネスト(入れ子)」を修正のハブにする
「ネスト」をうまく使うと、修正に強い構造が作れます。
コツ: 何度も登場する「番組ロゴのアニメーション」や「共通のコーナータイトル」などは、必ず単独のシーケンス(ネスト)にしておきます。
理由: クライアントから「ロゴの色を少し変えて」と言われた際、1つのネストシーケンスを修正するだけで、本編内の10箇所のロゴが一瞬ですべて差し替わります。
3. 「バージョン管理」は複製で対応する(非破壊の鉄則)
「今の状態も悪くないけど、別パターンも試したい」という時、同じシーケンスをいじり直してはいけません。
コツ: シーケンスを右クリックして「複製」し、「本編_v01」「本編_v02」と名前をつけてから新しい作業に入ります。
メリット: 迷走したときに、確実に「一歩前の納得していた状態」に1秒で戻れます。
マスター・シーケンスの作成
最後に、バラバラに作った「シーン別シーケンス」を、1つの「マスター(完成用)シーケンス」に並べます。
イメージ:[シーン1の箱] + [シーン2の箱] + [シーン3の箱] = [最終的な1本の動画]
このように、「大きな1本」を直接いじるのではなく、「小さな部品を組み上げて、最後に1本にまとめる」のがプロらしいシーケンスの扱い方です。
最終更新日
2026年10月10日 9:00:33

