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映像制作において対象とする映像(音声)がもつ固有の時間のことです。昔から映画のフィルムの長さの単位はフィート(30.48cm)が使われ、上映時間もこのフィルムの長さ(フィート)で表す習慣がありました。で、昔の 日本は尺貫法。1尺は30.3cmなので、フィート≒尺でいいだろう、ということで映画の「時間の長さ」のことを「尺」と呼ぶようになったそうです。

尺を解説するイメージ(監修・神野富三)

「尺」という言葉は、映像制作の現場では文脈によっていくつかの意味で使われます。


1. 映像の長さ(時間) 

最も一般的な用法。「この尺で収めて」「尺が足りない」「尺が余る」のように、映像やコンテンツ全体、あるいは特定のシーンの再生時間を指します。


2. 素材の長さ 

撮影した素材(カット)の時間的な長さ。「このカットの尺は何秒ある?」のように使います。


3. 放送枠・納品時間 

テレビ番組やCMにおいて、放送局から指定される厳密な時間枠。30秒CM、15秒CMなど。「尺ぴったりに仕上げる」という使い方。


4. テロップや字幕の表示時間 

「この字幕の尺が短くて読めない」のように、テキスト表示の長さを指す場合もあります。


5. 音楽・SEの長さ 

BGMや効果音の素材としての時間的な長さ。「この曲は尺が長すぎる」など。


共通しているのは、すべて時間の長さを意味している点です。もともと「尺」は長さの単位ですが、映像の世界では空間的な長さではなく、時間軸上の長さとして転用されています。

映像制作会社としての視点


映像(映画)業界では昔から作品全体やシーン、カットの時間の長さのことを「尺」と呼んできました。「この作品、もっと尺縮めてよ!」とか、時間が長い作品は「長尺もの」とか言うわけです。

「時間」と言うだけは「時刻」のことと混同しますので、この尺という言い方は、いかにも「時間の巾」の事を言っているように聞こえ、コミュニケーションに齟齬が入り込まないからです。


映像の時間を「尺」という表現は、制作者にとっていかにも「自分に与えられた制限時間」のような印象があって、責任感を感じる言葉でもあります。

執筆者・神野富三

名古屋の映像制作会社・株式会社SynApps代表取締役プロデューサー

シナリオ・演出・編集まで一貫して手がける映像プロデューサー・ディレクターとして40年にわたり映像制作に携わる

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