ショット
シュートボタンを押してカメラを回し始めてから、止めるまでの連続した映像の一単位を指します。(詳細は以下)
一般的な教科書や技術書における定義では、「shot」は、カメラの収録開始から停止までの一連の映像を指す用語とされます。一方「cut」は、編集における映像の分割点や、それによって生まれる映像の最小単位を指すとされています。ただし、これらの定義は必ずしも日本の現場での使用実態を反映していません。
欧米における使用実態
欧米の映像制作現場では、文脈に応じて両用語を使い分ける傾向が強く、撮影現場では「shot」が優勢であり、特にカメラワークや構図を議論する際には「shot」が使用されます。例えば「wide shot」「close-up shot」といった表現が一般的です。
編集作業においては「cut」の使用頻度が高まります。これは編集作業が本来「cutting」と呼ばれていた歴史的背景によるものですが、完成した映像の一単位を指す場合は、「shot」「cut」どちらも使用されます。
また、映画学校や専門教育機関では、この使い分けを明確に指導する場合と、そうでない場合が存在し、特に1960年代以降、フランスのヌーベルバーグの影響を受けた映画教育では、用語の厳密な使い分けよりも、映像表現の本質的な理解に重点が置かれる傾向にあります。
映像制作会社としての視点
日本の現場における実態
日本の映像制作現場では、「ショット」と「カット」の使用に関して、より複雑な状況が観察されます。
外来語としての定着過程
映画技術が輸入された際、「shot」「cut」双方が「カット」として定着した時期があります。その後、留学経験者や海外の文献に触れた制作者によって「ショット」という用語が広まり、既に定着していた「カット」との混在が始まったと思われます。
世代による違い
比較的若い世代の制作者は、教育機関で両者の区別を学んでいる場合が多い。一方、現場経験を積み重ねてきたベテラン世代では、文脈で理解する傾向があります。
制作分野による傾向
映画制作現場では、両用語の使い分けに対する意識が比較的高い一方、テレビ制作やウェブコンテンツの制作現場では、「カット」という用語が優勢です。

