キャラ
動画データに記録されているタイムコードを、画面に表示した時のタイムコード文字列のことです。(詳細は以下)
オフライン編集用ワークテープの画面に表示した文字
(タイムコード/キャラクター)
テープ編集の時代には撮影オリジナルテープを直接編集するとテープを傷つける危険性と、本編集用編集機器の使用料やオペレートに高額な費用が掛かったため、一旦VHSテープなどにダビングしてワークテープをつくり、そのテープを安価な編集機器でディレクター自身の操作で編集していました。いわゆるオフライン編集とか仮編集と言われる工程です。
ワークテープの映像画面には、上辺や下辺にタイムコード(キャラ)を表示した状態でダビングすることで、仮編集後にこのタイムコード(キャラ)を読み取り(この作業を「キャラ出し」と言います)、EDL(Edit Decision List)をつくり、本編集に臨んでいました。
VTRの時代は、テープに記録されたメタデータとしてのタイムコード信号を、映像画面にリアルタイムで文字合成するための「キャラクター・ジェネレーター」(略して「キャラジェネ」」が、編集室やMA室のラックに備わっていました。
キャラクターとはすなわち「文字」のことです。
映像制作の現場から
映像制作の現場では、今も「映像の上に文字を乗せる行為」自体を指して「キャラ入れ」と呼び続けています。
キャラあり: タイムコードが表示されている、作業用の状態。
キャラなし: 何も表示されていない、クリーンな本番映像の状態。
デジタル化が進み、すべての編集データが寸分違わず同期できるようになった現代でも、映像にタイムコードを焼き込んだ「キャラ入りデータ」を作るのには、実務的な理由があります。
一言で言えば、システムの不備や人間の思い込みによる事故を防ぐためです。
1. 「絶対的な物差し」の共有
プロジェクトに関わる全員が、同じ再生ソフトを使っているとは限りません。
再生環境の差: QuickTimeプレイヤーで見る人、ブラウザで見る人、スマホで見る人。それぞれで再生すると、微妙に数フレームのズレが生じることがあります。
「何分何秒」の共通言語: 「2分15秒のところ」と言ったとき、それが「動画ファイルの開始から」なのか「本編の開始から」なのか、キャラが入っていれば一目瞭然です。
2. インポート時の「ズレ」の検知(ベリファイ)
MAスタジオに映像を読み込んだ際、設定ミス(フレームレートの不一致など)で映像と音がじわじわズレることがあります。
目視確認: 映像に焼き込まれた「キャラ(TC)」と、Pro Tools側の「タイムコード表示」を並べて見て、数字が1フレームの狂いもなく一致しているかを確認します。
事故防止: もし数字がズレていれば、その時点で設定ミスに気付けます。キャラがなければ、最後まで気づかずにミックスしてしまうリスクがあります。
3. オフライン編集との照合
完パケ(完成)直前に、カットが差し替わったり尺が伸び縮みしたりすることがあります。
変更点の把握: 新旧の映像を並べたとき、キャラが入っていれば「あ、ここでTCが飛んでいるから、ここから先が差し替わったんだな」と瞬時に判断できます。
リテイクの指示: クライアントからの修正指示も、「キャラのTCで01:00:15:10のカットを……」と指定してもらうことで、間違いのない作業が可能になります。

