フィールド
インターレース方式において、1枚の静止画(フレーム)を構成するために分割された「半分」の画像情報の単位を指します。
インターレース方式では、奇数行のフィールドを「奇数フィールド」、偶数行のフィールドを「偶数フィールド」と呼び、これらを交互に表示することで、滑らかな動画に見せていました。
この方式は、限られた帯域幅で効率的に映像を伝送するために用いられていましたが、動きの速い映像ではちらつき(フリッカー)が発生しやすいという課題がありました。現代のデジタル映像技術では、プログレッシブ方式が主流となっています。
解像度の720iとか1,080i、フレームレートの30i、60iなどの「i」がインターレース方式の信号であることを表していて、1フレームが2つのフィールドに分割されている映像信号ということになります。
映像制作会社としての視点
インターレース素材から静止画を書き出すときの注意点
現在のノンリニア編集では、タイムライン上の動画クリップの任意の位置にカーソルを合わせるだけで、容易にそのフレームを静止画として書き出すことができます。
しかし、素材がインターレース(i)形式の場合、プログレッシブ素材と同じ感覚で切り出すと、意図しない画質劣化やノイズが発生することがあります。インターレース方式の1フレームは、約1/59.94秒(59.94iの場合)ずれた2つの画像、すなわちトップフィールドとボトムフィールドの組み合わせで構成されています。
この構造を忘れれ静止画を書き出すと、以下のような問題が起こります。
櫛状ノイズ(コーミング)の発生
動いている被写体をインターレース素材のまま静止画として切り出すと、2つのフィールド間の時間差によって、被写体の輪郭が櫛状(シマシマ状)にズレて記録されます。これは、1枚の静止画の中に「異なる瞬間の映像」が1行おきに混在してしまうために起こる現象です。動画として再生しているときには目立たなくても、1フレームを止めて静止画にした瞬間に、ノイズとして顕在化します。
解像度の低下
コーミングを回避するためにインターレース解除(デインターレース)を行うと、垂直方向の情報は実質的に間引かれます。多くのデインターレース処理では、片方のフィールドを基準に補間処理を行ってプログレッシブ化するため、結果として垂直解像度は本来よりも低下します。その結果、斜めのラインにジャギーが出たり、全体的に解像感の低い、やや甘い印象の静止画になります。これは処理上の構造的な制約であり、インターレース方式そのものが持つ特性によるものです。
書き出し設定とプレビュー表示の不一致
タイムライン(シーケンス)の設定がインターレースのままになっている場合、プレビュー画面で一時停止したときには片方のフィールドのみが表示され、問題がないように見えることがあります。しかし、実際に静止画として書き出すと、両方のフィールドが合成され、初めてコーミングノイズが現れるケースがあります。
これは、編集ソフトのプレビュー表示が「見やすさ優先の簡易処理」であるのに対し、書き出し処理は「設定に忠実な合成処理」になることが多いためです。見た目で問題がなさそうに見えても、書き出した結果で初めて不具合に気づく、という事故が起こりやすいポイントです。
適切な処理手順
インターレース素材から実用的な静止画を得るには、意図的な変換処理が不可欠です。
フィールドオプションの変更
書き出し前にクリップのフィールド設定を変更し、インターレース解除を行った上で、プログレッシブフレームとして書き出します。
プログレッシブシーケンスでの作業
プログレッシブ設定のシーケンス上に素材を配置し、編集ソフト側の補完処理を経由して静止画を書き出します。
いずれの方法でも、元がインターレース素材である以上、情報量の完全な保持はできません。
重要なのは、どのような劣化が起きるかを理解した上で、用途に適した形に変換することです。

