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フッテージ

“Footage”は撮影された映像素材や記録された映像の集合体を指し、編集前の「生素材」や「未加工の記録」という意図が含まれる場合があります。語源は初期の米国映画産業において、映像の記録媒体であったフィルムの長さを「フィート」で計測していたという歴史的な背景にあります。

フッテージを解説するイメージ(監修・神野富三)

映画フィルムの長さ単位として


黎明期の映画フィルムは、文字通り物理的なフィルムであり、その長さを測る単位として、ヤード・ポンド法における長さの単位である「フィート (foot)」が用いられていました。



長さの単位が映像の時間の単位に


撮影されたフィルムの長さが、記録された映像の量(時間)を表す指標となりました。

日本の「」と同じですね。



時間の単位が映像自体に (Feet of film → Footage)


時間の経過とともに、「○フィートのフィルム」という表現が省略され、記録された映像の量や素材そのものを指す言葉として Footage と言われるようになりました。



デジタル時代へ


現代では記録媒体はフィルムからデジタルデータへと移行しましたが、Footage という言葉は依然として、撮影された映像素材や記録された映像のまとまりを指す言葉として広く使われています。物理的なフィルムの長さに由来する言葉でありながら、その概念はデジタル映像にも引き継がれています。

映像制作会社としての視点


物理的な「量」から「資産」へ


Feetは計測可能な単位に過ぎませんが、Footageという名詞に変わることで、それは「撮影された成果物の集積」を意味するようになります。かつての映画制作において、フィルムを1フィート回すことは直接的なコストの発生を意味していました。そのため、蓄積されたFootageは、投じられた予算や労働力が物質として結晶化した資産価値と捉えられます。


時代を経ることで熟成される「希少性」


時間の単位としての「秒」は消費されると消えてしまいますが、Footageとして保管された映像は、時間が経過するほどその価値が変質・向上していきます。かつては何気なく撮られた街並みの10フィートが、数十年後には「二度と撮ることのできない歴史的資料」へと変わります。このように、一度記録(定着)されたものが、再利用可能な資源として生き続けるという「時間耐性」こそが、Footageという言葉に含まれる価値の本質です。

執筆者・神野富三

名古屋の映像制作会社・株式会社SynApps代表取締役プロデューサー

シナリオ・演出・編集まで一貫して手がける映像プロデューサー・ディレクターとして40年にわたり映像制作に携わる

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