Genlock(ゲンロック)とは
複数の映像機器が、映像信号を同じタイミングで生成・出力するよう同期させる仕組みです。
「Genlock」はGenerator Lockingの略で、日本語では「同期信号」と呼ばれることもあります。
放送設備やスタジオ、中継現場などで複数のカメラや映像機器を同時に使用する場合、それぞれの機器が独立して動作していると、フレームの開始タイミングが一致しません。そこで、すべての機器を共通の基準信号で動作させるのがゲンロックです。
なぜゲンロックが必要なのか
電子機器であっても、それぞれが内蔵する時計(クロック)にはわずかな誤差があります。
そのため、複数のカメラを同時に撮影していても、映像信号を生成するタイミングは完全には一致しません。
映像を切り替えたり、複数の映像を合成したりする際、このわずかなずれが映像の乱れやフレームの欠落などの原因になります。
ゲンロックは、この問題を防ぐために、すべての機器を同じタイミングで動作させる仕組みです。
タイムコードとの違い
ゲンロックと混同されやすいものにタイムコードがあります。
タイムコードは、それぞれの映像や音声に共通の時間情報を記録し、編集時に素材を正しく並べるための仕組みです。
一方、ゲンロックは、映像を記録する瞬間そのものを一致させるための仕組みです。
つまり、
タイムコードは「いつ記録したか」を管理するもの
ゲンロックは「いつ映像を作るか」を一致させるもの
という違いがあります。
現在のゲンロック
アナログ放送時代は、ブラックバースト信号(映像信号)を基準としてゲンロックが行われていました。
HD映像ではTri-Level Syncが広く使用され、近年のIP放送設備ではPTP(Precision Time Protocol)による高精度な時刻同期も利用されています。
同期の方法は時代とともに変化していますが、複数の映像機器を同じタイミングで動作させるというゲンロックの役割は変わっていません。
映像制作の現場から
一般的な企業PR映像やインタビュー撮影では、ゲンロックを使用する機会は多くありません。
一方、テレビ番組、スポーツ中継、コンサート収録、バーチャルプロダクションなど、多数のカメラや映像機器をリアルタイムで切り替える現場では、ゲンロックは欠かせない技術です。
近年は、Blackmagic DesignやSonyなどの業務用カメラにもゲンロック端子が備えられており、高度なマルチカメラ制作では現在も重要な役割を担っています。
最終更新日
2026年8月7日 5:52:32

