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確証バイアス

認知バイアスの一種であり、自分の既存の信念や仮説を裏付ける情報を重視し、反証する情報を軽視または無視する傾向を指します。映像制作はこの心理を意図的に利用する作業ですので、映像に関わる仕事をする者は、正しい知識と倫理観を持つ必要があります。

確証バイアスを解説するイメージ(監修・神野富三)

確証バイアスは、特定の信念を強化するために、情報を選択的に解釈する心理的な傾向です。



認知バイアスと確証バイアス


認知バイアスは思考の偏り全般を指し、確証バイアスは自分の信念を裏付ける情報ばかりを集めてしまう偏りを指します。


認知バイアス


認知バイアスとは、人が情報を処理する際に生じる、体系的な思考の偏りのことです。私たちは、常に合理的な判断を下しているわけではなく、無意識のうちに様々な偏り(バイアス)を持っており、それが判断や意思決定に影響を与えます。認知バイアスには、確証バイアスの他にも、利用可能性ヒューリスティック、アンカリング、フレーミング効果など、様々な種類があります。



確証バイアス


確証バイアスは、認知バイアスの一種であり、自分の既存の信念や仮説を裏付ける情報を重視し、反証する情報を軽視または無視する傾向を指します。確証バイアスは、特定の信念を強化するために、情報を選択的に解釈する心理的な傾向です。

映像制作会社としての視点


映像制作者が深く理解しておくべき「認知バイアス」の知識


映像制作の本質は、視聴者の「認知」をコントロールし、意図した感情や情報を届けることにあります。しかし、人間の脳には情報の処理を効率化するための「思考の癖(認知バイアス)」が存在し、これが映像の受け取り方に大きな影響を与えます。制作者がこれらを理解することは、「脳に深く刺さる映像」を作るための必須スキルとなると同時に、無自覚に利用してしまうと、視聴者の世界観や判断を根底から歪めてしまう危険性があることを自覚しておくべきです。



映像制作は「倫理」という安全装置を欠いてはならない


映像制作者が人間の認知バイアスを理解する本来の目的は、視聴者をコントロールするためではなく、「自分の作っている映像が、いかに容易に人を欺けてしまうか」を律するためです。


  • 情報の対称性: 演出によって隠されてしまった事実は何かないか。

  • 文脈の誠実さ: 編集が、被写体の意図を不当に歪めていないか。

  • 演出の強度: その言葉や音楽は、情報の理解を助けるためか、それとも感情的な扇動のためか。


映像は、受け手の脳に直接書き込まれる強力なメディアです。バイアスという強力なテコを扱う者は、その一振りが視聴者の認知を永久に変えてしまうかもしれないという重責を、常に編集室のモニターの向こう側に感じていなければなりません。



執筆者・神野富三

名古屋の映像制作会社・株式会社SynApps代表取締役プロデューサー

シナリオ・演出・編集まで一貫して手がける映像プロデューサー・ディレクターとして40年にわたり映像制作に携わる

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