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構成

映像制作における「構成」とは、一本の映像を、どのような項目と順序で組み立てるかを設計することです。

構成のイメージ

構成の工程では、映像で伝える内容を選び、それをいくつかのまとまりに分け、どの順番で見せるか、それぞれにどの程度の時間を割くかを決めていきます。

たとえば会社案内映像であれば、


「導入」
「会社の概要」
「事業・製品」
「技術や強み」
「働く人」
「将来への展望」


といった大きな流れをつくります。

実際には、各パートの内容や尺、ナレーション、インタビュー、実写、CGなどの使い方についても、構成の段階からある程度想定する場合もあります。ただし、構成は必ずしも個々のカットやセリフまで決めるものではありません。

この段階の書類を「構成案」「構成表」「構成台本」などと呼ぶびます。どこまで具体的に記述するかについて、業界全体で厳密な形式が決まっているわけではなく、制作会社や作品によって異なります。



シノプシス、プロットとの違い


構成と近い意味を持つ言葉に「シノプシス」や「プロット」があります。

シノプシス(synopsis)は、作品全体の内容を簡潔にまとめた「あらすじ」です。映画やドラマなどでは、登場人物、設定、物語の展開、結末までを短い文章で説明します。

これに対して構成は、内容の要約ではなく、実際に映像をどのような順序で展開するかという組み立てに重点があります。


プロット(plot)は、特に物語を持つ映像作品で使われる言葉で、出来事の因果関係や展開を組み立てたものです。「何が起こり、その結果どうなり、次に何が起こるか」という物語構造を設計します。

ドラマや映画では、プロットと構成はかなり近い関係になります。一方、会社案内、製品紹介、採用映像、技術説明などの企業映像では、必ずしも物語があるわけではありません。そのため「プロット」よりも「構成」という言葉が広く使われます。


構成は、物語だけでなく、情報、説明、インタビュー、映像素材などを含めて一本の映像に組み立てることができる、より広い概念です。



キューシートとの違い


キューシートも、映像や音声を時間軸に沿って記述するという点では構成表と似ています。

ただし、役割は異なります。

構成が「何を、どの順序で見せるか」を決めるための設計であるのに対し、キューシートは、すでに決められた内容について、映像、音楽、ナレーション、出演、照明などを「いつ開始するか」「いつ切り替えるか」といった進行上のタイミングを記録・指示するために使われます。

テレビ番組、イベント、舞台、ライブ収録などでは、秒単位あるいはきっかけ単位で進行を管理するために用いられます。

映像制作の現場から


企業映像制作では、構成案はシナリオに進む前段階に置かれます。

この段階では、まず「何を伝えるのか」「どの順番で伝えるのか」「どの内容を重く扱うのか」を決めます。クライアントから得た情報を取捨選択し、映像全体の流れと情報の比重を定める作業です。


構成案を先に作る理由の一つは、シナリオ工程での手戻りを減らすためです。

シナリオを書き始めてから、「この情報は不要だった」「この内容を先にしたい」「この項目をもっと大きく扱いたい」となると、ナレーションや映像内容を広い範囲で書き直すことになります。

それに対して、構成案の段階であれば、項目の追加や削除、順序の変更、時間配分の見直しを比較的容易に行えます。



構成工程を省略することが増えた


企業映像制作における構成案は、企画とシナリオの間に置かれる重要な設計工程ですが、短尺(数分)映像の制作が増えた現在、このプロセスは省略されることも多くなっています。


実際には「構成がなくなった」というより、シナリオ工程を経ず、構成案の段階からそのまま制作に入るケースが増えたと見ることもできます。


短尺映像では、扱う情報量が少なく、ナレーションや画面展開も比較的単純です。そのため、構成の段階で内容、順序、時間配分、必要な映像要素まである程度決まっていれば、あえて詳細なシナリオを作成しなくても、撮影や編集に進むことができます。

つまり現在の短尺映像では、構成案が従来の「シナリオ前の設計図」という役割に加えて、場合によってはそのまま制作指示書に近い役割まで担うようになっているとも言えます。

最終更新日

2026年10月16日 16:43:45

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