NDフィルターとは
NDフィルター(Neutral Density Filter)とは、色味を変えずにレンズを通過する光の量だけを減らすフィルターで す。
「Neutral(ニュートラル)」は「中性」、「Density(デンシティ)」は「濃度」を意味し、日本語では「減光フィルター」とも呼ばれます。
ND2、ND8、ND64などの数値で表され、数値が大きいほど多くの光を減らします。
なぜNDフィルターを使うのか
屋外の晴天下などでは、十分な明るさがあるため、そのままでは適正露出を超えてしまうことがあります。
このような場合、絞りを絞ったり、シャッタースピードを速くしたりして露出を調整することもできます。
しかし、それでは意図した映像表現が得られなくなることがあります。
そこで、レンズに入る光そのものを減らすために使用するのがNDフィルターです。
動画撮影で重要な理由
静止画では、露出調整のためにシャッタースピードを自由に変更できます。
一方、動画撮影では、シャッタースピードはフレームレートとの関係から一定の範囲に保つことが一般的です。また、絞りは被写界深度にも影響するため、露出調整だけを目的に変更したくない場合があります。
例えば、背景をぼかすために絞りを開放にしたまま撮影したい場合でも、晴天下では露出オーバーになります。
このようなとき、NDフィルターを使用すれば、絞りやシャッタースピードを変えることなく適正露出で撮影できます。
そのためNDフィルターは、露出を調整するためではなく、意図した映像表現を維持するための道具ともいえます。
NDフィルターの種類
NDフィルターには、大きく二つの種類があります。
固定NDフィルター
ND8、ND64など減光量が決まっており、必要に応じて交換して使用します。画質への影響が少なく、業務用途でも広く使われています。
可変NDフィルター
一枚のフィルターで減光量を連続的に調整できます。ロケ撮影などでは便利ですが、製品によっては画質や色再現に影響する場合があります。
また、多くの業務用ビデオカメラやシネマカメラには、レンズ内部に複数段階の内蔵NDフィルターが装備されています。レバーやスイッチ操作だけでNDを切り替えられるため、ロケ現場で素早く対応できます。
映像制作の現場から
動画撮影では、
シャッタースピードは動きの表現を決める
絞りは被写界深度を決める
ISO感度は画質にも影響する
という役割があります。
そのため、露出オーバーだからといって、むやみに絞ったりシャッタースピードを変更したりすることはありません。
まず希望するシャッタースピードと絞りを決め、それでも明るすぎる場合にNDフィルターで光量を減らす──これが映像撮影における基本的な考え方です。
最終更新日
2026年8月7日 14:52:08

