ラスター(画像)
画像を多数の画素(ピクセル)の集まりとして表現する方式です。
デジタル写真や一般的な動画の1フレームは、基本的にこのラスター画像です。画像全体を細かな格子状に分け、それぞれの画素に色や明るさの情報を持たせることで、1枚の画像を構成します。
画素の集まりで画像を表現する
ラスター画像では、画像の横方向と縦方向に一定数の画素が並んでいます。
たとえば1920×1080の画像であれば、
1920 × 1080 = 2,073,600画素
によって1枚の画像が構成されています。
各画素には、通常、
R=赤
G=緑
B=青
などの色情報が記録されています。
さらにαチャンネルを持つ画像では、各画素に透明度の情報も加わります。
ラスター画像は、画面を非常に細かな点に分割し、その1点ずつの色を指定して画像を作る方式です。
拡大すると画素が見える
ラスター画像は、あらかじめ決められた数の画素によって構成されています。そのため、画像を大きく拡大すると、元の画素そのものが拡大され、輪郭が階段状に見えたり、画像が粗く見えたりします。これが一般に「ピクセルが見える」「画像が荒れる」と呼ばれる状態です。一方、縮小する場合は複数の画素をまとめ直す処理が行われます。このようにラスター画像では、画像サイズと画素数の関係が画質に大きく影響します。
写真や映像に向いている
ラスター画像は、写真のように色や明るさが連続的に変化する画像を表現するのに適しています。
空、肌、光、影、煙、風景などは、非常に多くの色と明暗の変化を含みます。こうした複雑な画像を画素単位で記録できるため、デジタル写真や動画ではラスター形式が基本となっています。JPEG、PNG、TIFF、BMPなどは代表的なラスター画像形式です。動画も原理的には、ラスター画像を時間方向に連続して表示しているものと考えることができます。
ベクター画像との違い
ラスター画像と対になる考え方がベクター画像です。
ラスター画像が画素の集まりで画像を記録するのに対し、ベクター画像は線や曲線、図形を座標や数式によって記録します。そのためベクター画像は拡大しても輪郭が崩れにくく、ロゴ、図版、アイコン、文字などの表現に向いています。一方、ラスター画像は写真や実写映像のような複雑な色変化を表現するのに適しています。
ラスター画像=画素を並べて画像を作る
ベクター画像=線や図形の形を数式で記録する
映像制作の現場から
映像制作で扱うカメラ映像、CGレンダリング画像、静止画素材などの多くはラスター画像です。
たとえば4K映像であれば、一般的なUHDでは1フレームが3840×2160画素で構成されています。この大量の画素について、色や明るさの情報を1フレームごとに記録し、それを時間方向に連続させることで動画になります。
そのため映像制作では、
解像度
ビット深度
色空間
圧縮方式
などがラスター画像の品質に直接関係します。
「ラスター」という言葉
Rasterは本来、規則的に並んだ線や格子を意味する言葉です。テレビやコンピューター画面では、画面を水平方向の走査線に沿って順番に描画していたことから、「ラスター」という言葉が画像方式の名称として使われるようになりました。現在では、走査方式そのものを意識する機会は減っていますが、画素の格子によって構成される画像をラスター画像と呼ぶ考え方はそのまま残っています。
ラスター画像は特別な形式というより、通常扱っている画像や映像そのものです。カメラで撮影した映像も、Photoshopで扱う写真も、動画編集ソフト上の1フレームも、基本的には画素の集合です。そのため「解像度を上げれば高画質になる」というわけではありません。
元画像に存在しない細部は、後から画素数だけを増やしても本来の情報として復元されるわけではないからです。
最終更新日
2026年10月16日 16:43:45
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