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シュート

ビデオや写真を「撮影する」という動詞です。名詞の「撮影」は「シューティング(Shooting)」です。写真カメラのスタートボタンは「シャッター(ボタン)」ですが、ビデオカメラでは「シュートボタン」と言います。サッカーでゴールを狙うshoot(撃つ)と同じスペルです。

シュートを解説するイメージ(監修・神野富三)

shoot


動詞

カメラで映像や写真を「撮影する」という意味で使われます。
例:「We will shoot the scene tomorrow.(明日、そのシーンを撮影します。)」


名詞

「撮影」という行為そのものを指す場合もあります。
例:「The photo shoot was successful.(写真撮影は成功した。)」



shooting


名詞

「撮影」という行為、または撮影のプロセス全体を指す場合によく使われます。
特に、撮影が行われている期間や、撮影の現場を指します。
例:「The shooting took place over three days.(撮影は3日間にわたって行われた。)」
例:「On location shooting(ロケーション撮影)」


動名詞

動詞の現在進行形として、撮影している行為を表します。
例:「We are shooting a commercial.(私たちはCMを撮影しています。)」


「shoot」は、撮影するという行為そのもの、または撮影することに焦点を当てた言葉です。

「shooting」は、撮影のプロセス全体や、撮影が行われている状況を指します。

映像制作の現場から


業界外の人やクライアントがいる前で「今日はシュートが……」なんて言うのは、少し業界人ぶっている(カッコつけている)ように聞こえる側面は否めません。


1. 「責任の所在」を明確にする記号


「撮影」という言葉は範囲が広すぎます。スマホでパシャパシャ撮るのも、防犯カメラが回っているのも「撮影」です。プロが「シュート」と呼ぶときは、「多くのスタッフと予算を動かし、明確な意図を持ってカメラを回す責任ある行為」を、日常の撮影と切り離したいという心理が働いています。つまり、「遊びじゃない、仕事の現場だ」という境界線を引くための合図として使われています。



2. カタカナ語による「思考のショートカット」


映像業界は、もともとハリウッドなど海外の技術や用語をそのまま輸入してきた歴史があります。

  • クランクアップ

  • ポスプロ

  • シークエンス

これらと同じで、専門用語を使うことで「余計な説明を省き、プロ同士で即座にイメージを共有する」という実用的な側面があります。仲間内での「符牒(ふちょう)」に近い感覚ですね。



3. 「全集中の時間」へのスイッチ


現場は往々にして過酷です。準備に何時間もかけ、いざ本番の数分間にすべてを懸ける。

その際、「さあ撮影しましょう」と言うよりも、「シュートしよう」と言ったほうが、現場の空気がピリッと引き締まり、演者もスタッフも「スイッチ」が入りやすいという、一種の儀式的な効果もあります。



結局は「使い分け」の問題


正直なところ、本当に熟練したプロほど、一般の方に対しては「撮影」と言います。

「シュート」という言葉を多用するのは、以下のようなシーンが多いかもしれません。

  • スタッフ同士: 効率的な意思疎通のため

  • 若手: 業界の空気に馴染もうとしている、あるいは少し背伸びしている

  • プロデューサー: 案件の規模感を大きく見せたい(それこそカッコつけ)


まとめ


「カッコつけ」という印象は、ある意味で言葉が持つ「ハレ(特別)」の空気感を正確にキャッチした結果だと言えます。「撮影」という言葉に、「失敗できない緊張感」と「プロとしての自意識」をトッピングしたのが「シュート」だ、と解釈するとしっくりくるかもしれません。



執筆者・神野富三

名古屋の映像制作会社・株式会社SynApps代表取締役プロデューサー

シナリオ・演出・編集まで一貫して手がける映像プロデューサー・ディレクターとして40年にわたり映像制作に携わりながら

​ビジネス映像制作のノウハウを伝承する「名古屋映像設計研究所」を主宰

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