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シンク(同期)とは

シンク(Sync、Synchronization)とは、複数の機器や信号、映像、音声などの時間的な基準を一致させることをいいます。日本語では「同期」と呼ばれます。

シンク(同期)を説明している画像

映像制作では、カメラ、録音機、再生機、編集機など、複数の機器を同時に使用することが少なくありません。これらの機器が同じ時間基準で動作するようにすることを「シンクを取る」といいます。



なぜシンクが必要なのか


電子機器であっても、それぞれが内蔵する時計(クロック)にはわずかな差があります。

そのため、カメラ、録音機、再生機などを独立して動作させると、最初は一致していても、時間の経過とともに少しずつタイミングがずれていきます。

このずれは短時間では目立ちませんが、長時間の収録では映像と音声が合わなくなったり、複数のカメラ映像が一致しなくなったりする原因になります。

シンクとは、このような時間のずれを防ぎ、複数の機器や素材を同じ時間基準で扱うための考え方であり、そのためのさまざまな仕組みが用意されています。


代表的なものがタイムコード(Time Code)です。タイムコードは、映像や音声に時刻情報を記録する仕組みで、編集時に異なる機器で収録した素材を正確に同期させることができます。


また、放送やライブ中継などでは、ゲンロック(Genlock)によって複数のカメラや映像機器の動作タイミングそのものを一致させます。これにより、複数の映像信号を切り替えたり合成したりする際にも、映像の乱れを防ぐことができます。


小規模な撮影では、カチンコや拍手を目印に同期を取る方法や、編集ソフトが音声波形を解析して自動的に同期させる方法も広く利用されています。



シンクが必要な場面


映像制作では、さまざまな場面でシンクが行われます。

  • カメラ映像と録音した音声を一致させる。

  • 複数のカメラ映像を一致させる。

  • 音楽の再生機と演奏・歌唱を一致させる。

  • 複数の機器を同じ時間基準で動作させる。

いずれも「同期」を取るという点では同じ考え方です。

映像制作の現場から


例えば、ミュージックビデオでは、1曲を何度も撮影場所を変えながら、何度も繰り返し演奏・撮影することがあります。

このとき、演奏者がその都度自由に演奏すると、テンポは少しずつ変化します。本人は同じテンポで演奏しているつもりでも、人間が演奏する以上、毎回まったく同じ速度になることはありません。曲の冒頭では一致していても、演奏が進むにつれて少しずつ差が広がり、曲の終わりには歌や演奏のタイミングが大きくずれてしまいます。

そのため、実際の撮影では、演奏者は一定のテンポで再生される音源(プレイバック)をイヤーモニターなどで聴きながら演奏や口パクを行います。これにより、何度撮り直しても曲全体の時間軸が揃い、異なる場所や異なるカメラで撮影した映像でも自由に切り替えられるようになります。

さらに、再生機や録音機、カメラも、それぞれ独立した時計(クロック)で動作しているため、機器同士も同期が取られていなければ、長時間の収録では少しずつ時間がずれてしまいます。



同期ズレは災禍


映像業界人が「シンク(同期)」という言葉に敏感なのは、同期ずれの問題が編集時になって初めて露見することが多いためです。収録現場では気付かなかったわずかな時間のずれが、編集では大きな問題となり、苦労して補正しながら編集することになるからです。

最終更新日

2026年8月7日 5:52:40

執筆者・神野富三

名古屋の映像制作会社・株式会社SynApps代表取締役プロデューサー

シナリオ・演出・編集まで一貫して手がける映像プロデューサー・ディレクターとして40年にわたり映像制作に携わりながら

​ビジネス映像制作のノウハウを伝承する「名古屋映像設計研究所」を主宰

 執筆者ブログ「映像制作ガイドブック」

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