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卓(たく)

放送、映像、舞台、音響、照明業界で「卓」と言えば、一般的には調整卓(ちょうせいたく)のことを指します。映像や音声信号を調整、切り替え、ミックスなどを行ったり、照明や舞台装置を遠隔操作するための機材が多数配置された操作盤のことです。

卓(たく)を解説するイメージ(監修・神野富三)

「卓」英語では「コンソール」ですので、音響卓はミキシングコンソールともい言われます。

この「卓」は単なる操作・調整装置だけでなく、監視装置や計測装置を接続した複雑な系統を少人数で集中コントロールできるよう構成されているシステムを指します。

スタジオに設備されているものばかりでなく、コンサートイベントなどでは、それぞれの機能を持った装置は現場で組み立てられ、機器の周辺には無数のケーブルが接続されている卓が見られます。

近年では、IP(インターネットプロトコル)によるネットワーク技術の導入が急速に進んでおり、放送・映像業界の「卓」を取り巻く環境も大きく変化しています。

映像制作会社としての視点


業界用語としての「卓(たく)に座る」は、主にミキサーや調整卓(コンソール)の前に座り、オペレーション(操作)を担当することを指します。単に椅子に腰掛けるという意味ではなく、「今日の放送や収録のメイン操作を受け持つ」という役割と責任を表すニュアンスが強い言葉です。



具体的な意味と役割


業界ごとに操作する「卓」の内容は異なりますが、共通して「全体のバランスを司る」という意味が含まれます。


音響(PA・レコーディング)の場合

音声ミキサー(ミキシングコンソール)を操作すること。各マイクの音量バランスを整え、エフェクトをかけたり、最終的な音(アウトプット)をコントロールします。


放送(テレビ・ラジオ)の場合

副調整室(サブ)にあるスイッチャーや音声卓を操作すること。映像の切り替え(スイッチング)や、BGM・効果音を出すタイミングを制御します。


照明の場合

調光卓(ライティングコンソール)を操作すること。シーンに合わせて照明の明るさや色、動きをプログラミング・実行します。



よく使われるシーン・表現


現場では以下のように使われます。


「今日は〇〇さんが卓に座る」

〇〇さんが今日のメインオペレーター(責任者)である。


「卓に座らせてもらう」

若手が修行を経て、初めて本番の操作を任せてもらう。


「卓を預かる」

その現場のシステム全体や、進行の責任を負う。



なぜ「卓」と呼ぶのか?


昔の大型で多チャンネルのアナログミキサーは、見た目が大きな「机(テーブル=卓)」のようだったため「調整卓」と呼ばれていました。その名残で、デジタル化してコンパクトになった現在でも、操作盤全般を「卓」と呼びます。

執筆者・神野富三

名古屋の映像制作会社・株式会社SynApps代表取締役プロデューサー

シナリオ・演出・編集まで一貫して手がける映像プロデューサー・ディレクターとして40年にわたり映像制作に携わる

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