イメージ
日本語では、ある人や物事について頭の中に思い浮かべる像、印象、雰囲気、評価などを表す言葉です。一方、映像業界では英語 “image” 本来の意味で使用されることもあります。
英語の“image” は、画像、像、映像など、視覚的に認識できるものを指す意味が強く、日本語の「イメージ」とは使われ方に違いがあります。
映像制作では、この二つの意味が混在します。
「商品のイメージを高める」という場合は印象や評価を指し、「イメージ素材」「イメージ画像」という場合は視覚的な画像や映像を指します。
日本語で使われる「イメージ」
日本語では非常に幅広い意味に使われています。
印象
人、企業、商品、場所などに対して抱く印象です。
「企業イメージ」
「ブランドイメージ」
「高級なイメージ」
などと使います。
頭の中に思い描く像
まだ実物が存在していなくても、完成形や状況を頭の中に思い描くことがあります。
「完成した映像のイメージ」
「撮影場所のイメージ」
「人物像をイメージする」
といった使い方です。
象徴・連想
あるものから連想される意味や感情を「イメージ」と表現することもあります。
青から清潔感を連想する、朝日から希望を連想するといった関係です。
評価・社会的な印象
「会社のイメージが悪くなった」など、評判や社会的な評価に近い意味でも使われます。
英語の「image」
英語の“image”には、画像、像、映像、外見、心に浮かぶ像などの意味があります。
特にコンピューターや映像技術の分野では、“image” は具体的な画像データを意味します。
たとえば、
digital image
still image
image processing
image sensor
image file
などでは、日本語の「印象」という意味はほとんどありません。
日本語では “image” が外来語として広く使われる過程で、「印象」「雰囲気」「想像」といった抽象的な意味が非常に強くなりました。
映像制作における「イメージ」
映像制作では、いくつかの異なる意味に使われます。
「企業イメージ」であれば、視聴者が企業に対して抱く印象です。
「完成イメージ」であれば、まだ完成していない映像について想定している姿です。
「イメージ映像」であれば、説明よりも印象や感覚を伝える映像を指します。
「イメージ画像」であれば、参考として提示する写真やCGなどを指すことがあります。
同じ「イメージ」という言葉でも、指しているものはかなり異なります。
イメージカットとは
イメージカットとは、事実や内容を直接説明するためではなく、雰囲気、感情、概念などを視覚的に伝えるために使われるカットです。
たとえば、
朝日
水面
光が差し込む室内
人物の手元
歩く足元
風に揺れる木々
機械の一部分
都市の夜景
などが使われます。
映像そのものに明確な説明情報がなくても、前後のナレーションやシーンと組み合わせることで意味を持ちます。
「イメージ映像」と「説明映像」
説明映像では、画面に映っているものと伝える内容との対応関係が比較的明確です。
「工場ではこの工程を行っています」というナレーションに対して、その工程を撮影した映像を見せる場合などです。
イメージ映像では、言葉と画面が一対一で対応するとは限りません。
「未来への挑戦」という言葉に対して、朝日、都市、研究者の表情、動きのある光などを見せることがあります。
企業PR映像やCMでは、このようなイメージによる表現が多く使われます。
映像制作の現場から
「イメージ」は、映像制作の打ち合わせで非常によく使われます。
そして、意味の食い違いが起きやすい言葉でもあります。
「もっと高級なイメージにしたい」
「少し未来的なイメージで」
「イメージと違う」
「もう少し柔らかいイメージに」
こうした言葉だけでは、何を変更すればよいのか判断できません。
「高級」という言葉一つでも、
暗い背景
黒や金を使う
カメラをゆっくり動かす
浅い被写界深度
静かな音楽
余白の多いデザイン
商品の質感を大きく見せる
など、人によって思い描いているものが違います。
「イメージと違う」という問題
完成した映像を見て「イメージと違う」と言われても、そのイメージが事前に共有されていなければ、修正すべき内容を特定できません。
映像制作では、頭の中にあるイメージを、
参考映像
写真
絵コンテ
色
レンズ
カメラワーク
音楽
編集テンポ
具体的な言葉
などに置き換えて共有する必要があります。
「イメージ」は便利な言葉ですが、そのままでは制作仕様にはなりません。
映像制作の現場では、「どんなイメージですか」で終わらせず、そのイメージを画面上の具体的な要素まで言葉にすることが重要です。
最終更新日
2026年10月28日 9:31:51
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