プレビズ
“Previsualization”の略で、映像の本制作前に、ショットやシークエンスの内容を事前に可視化して検討する工程、またはそのために作られる可視化資料を指します。映画、CM、VFX、アニメーションなどの制作工程で使われてきた用語で、必ずしも画像や映像などの成果物を指すわけではなく、撮影や作画の方法、構図、カメラワーク、人物や物体の動きなどを事前に検討する工程そのものを指して使われる場合もあります。
可視化の方法は一つではなく、絵コンテ、写真、ショットリスト、アニマティクス、簡易3DCG、3Dアニメーション、仮の実写映像など、制作内容や目的に応じてさまざまな形式が用いられます。
近年では、生成AIやリアルタイムCGの発達によって、従来の撮影設計や制作準備のための資料という役割に加え、企画提案や完成イメージの共有にも活用されるようになりました。そのため、これまで主に制作現場で使われてきた「プレビズ」という言葉が、企画やプレゼンテーションの場でも急速に使われるようになっています。
プレビズで何を確認するのか
プレビズでは、本番撮影や本制作の前に、
などを事前に確認します。
特に、スタント、車両撮影、大規模なセット、複雑なカメラワーク、CG合成など、撮影後の修正や撮り直しに大きなコストがかかる場合には、事前に映像設計を検討する意味が大きくなります。
絵コンテとの違い
絵コンテも、本制作前に映像を可視化するための手段の一つです。
絵コンテが主に静止画によって構図やカットの流れを示すのに対し、アニマティクスや3DCGによるプレビズでは、時間の長さや動き、カメラワークまで確認することができます。プレビズは絵コンテよりも具体的に完成映像を検討するために使われます。
ただし、プレビズは必ずしも動画を意味する言葉ではありません。目的に応じて、静止画、ショットリスト、3Dデータなども含まれます。
近年のプレビス
近年は、リアルタイムCGや生成AIの普及によって、プレビズの利用が拡大しています。従来の簡易的な3DCGやアニマティクスだけでなく、人物、背景、照明、質感などを、完成映像に近い状態で可視化できるだけでなく、何よりも安価に短期間で作成可能だからです。
そのため現在では、撮影前の技術確認だけでなく、
企画内容の検討
演出方法の比較
クライアントへの企画提案
完成イメージの共有
撮影やCG制作の必要性の判断
などにも利用されています。
特に生成AIを利用すると、企画段階から実写に近い静止画や動画を作ることができるため、従来の絵コンテや簡易CGよりも具体的に完成イメージを共有できます。
従来のプレビズが主として、
「どのように撮影するかを確認するための事前可視化」
だったとすれば、近年では、
「どのような映像を作るのかを、完成に近い状態で事前に示すための可視化」
としての役割が強くなっています。
映像制作の現場から
テクニカル・プレビズとの違い
プレビズと関連する言葉に、テクニカル・プレビズ(Technical Previs)があります。一般的なプレビズが、構図、演出、動き、カメラワークなどを可視化して検討するのに対し、テクニカル・プレビズでは、その映像を実際に撮影するための技術条件を、より具体的に設計します。
たとえば、
カメラの位置や高さ
レンズの焦点距離
被写体までの距離
カメラの移動距離
カメラの移動速度
出演者や車両の位置
セットや背景の寸法
などを、実際の撮影に使える数値として定義します。つまり、プレビズが「どのような映像にするか」を検討するための事前可視化であるのに対し、テクニカル・プレビズは「それをどのような条件で撮影するか」を具体化するための技術検討工程を指します。
最終更新日
2026年10月16日 16:43:45
閲覧数 0

