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KPIとは

KPI(Key Performance Indicator)とは、「重要業績評価指標」と訳され、目的や目標の達成状況を評価するために設定する指標をいいます。

KPIを説明している画像

企業活動では、売上、契約件数、問い合わせ数など最終的な成果に至る途中の状況を把握するため、さまざまなKPIが設定されます。

Webサイトや動画コンテンツでは、


再生回数
視聴時間
視聴完了率
クリック率
問い合わせ数
資料請求数
購入数
応募数

などがKPIとして用いられます。


映像制作の世界でも、「作って公開したら終わり」ではなく、その映像が目的を果たしたかを検証する考え方が求められるようになっています。



映像制作におけるKPI


KPIを映像制作に取り入れる最大の利点は、制作前に、

「この映像は、何をもって成功とするのか」を考えられることです。


たとえば、商品を知ってもらうことが目的なら、再生数や到達人数を見る。

内容を十分に理解してもらうことが重要なら、視聴時間や視聴完了率を見る。

Webサイトへの誘導が目的なら、クリック率を見る。

問い合わせにつなげることが目的なら、映像を経由した問い合わせ件数を見る。

このように目的と評価方法を結びつけることで、「なんとなく格好いい映像を作る」といった曖昧な発注や制作を避けやすくなります。


そして、視聴者に具体的な行動を期待する場合には、CTAとの関係が生まれます。

CTAが「何をしてもらうか」を定めるのに対して、KPIは「その結果を何によって評価するか」を定めるものです。


→ 関連項目「CTAとは」

映像制作の現場から


KPIを設定すると、映像の作り方が変わる


KPIは完成後に数字を確認するだけのものではありません。

何をKPIに設定するかによって、制作段階の判断そのものが変わります。

たとえば「視聴完了率」を重視すれば、短くする、説明を減らす、テンポを速くする、といった判断が合理的になります。

クリック率を重視すれば、興味を引く冒頭、強いメッセージ、明確なCTAなどが重要になります。

一方、製品や技術の理解を重視するなら、ある程度の説明時間が必要になります。

複雑な内容を30秒に圧縮した結果、最後まで見てもらえたとしても、肝心の内容が理解されなければ目的を果たしたとはいえません。

つまり、

「何をKPIにするか」

は単なる測定方法の選択ではなく、映像の作り方そのものに影響します。



測れるものと、映像の効果


デジタルメディアの発達によって、映像に対する視聴者の行動を細かく測定できるようになりました。


何回再生されたか。
何秒まで見られたか。
どこで離脱したか。
何人がクリックしたか。


こうした情報は、かつての映像制作では得ることが難しかったものです。

しかし、測定できることと、映像の効果を測れていることは同じではありません。


たとえばBtoBの技術紹介映像を営業担当者が商談で使用した結果、顧客が技術を短時間で理解できるようになったとします。

再生回数は少ないかもしれません。

しかし、営業担当者が毎回20分かけて説明していた内容を5分の映像で共有できるようになったのであれば、その映像には明確な価値があります。

展示会映像によって、来場者が製品を理解した状態で説明員と話せるようになる。
採用映像によって、仕事内容を理解した応募者が増える。
研修映像によって、全国の拠点で説明内容が統一される。

こうした効果は、再生回数やクリック率だけでは捉えられません。



KPIとタイパ至上主義


現在の動画コンテンツでは、「短いほど見てもらいやすい」という考え方が強くあります。

そして視聴完了率や離脱率などをKPIとして重視すると、この傾向はさらに強くなります。


長いから離脱された。
だから短くする。

冒頭で離脱された。
だから最初に結論を出す。

途中で視聴率が落ちた。
だから説明を削る。


数字を見ながら改善するという意味では、どれも合理的です。

しかし、この最適化を繰り返せば、理解に必要な説明まで削られる可能性があります。

最後まで見てもらえる30秒の映像と、半分の人しか最後まで見ない3分の映像。

視聴完了率だけなら前者が優秀です。

しかし後者を最後まで見た人が製品を十分に理解し、その後の商談につながっているなら、どちらが優れた映像なのかは簡単には決められません。



KPIは映像の価値を数値化できるのか


KPIを映像制作に取り入れることには、大きな意味があります。

目的を明確にし、制作後の結果を検証し、次の制作へ反映できるからです。

一方で、数字にできるものだけを成果と考えると、映像の価値を取りこぼす可能性があります。


企業への信頼。
製品への理解。
技術に対する納得。
社内での共通認識。
ブランドに対する印象。


こうしたものは、企業映像にとって重要でありながら、単純な数字には置き換えにくいものです。

したがって、映像制作でKPIを考える際に重要なのは、

「KPIを設定したかどうか」

だけではありません。

「なぜ、その数字をKPIにしたのか」

を考えることです。


測りやすい数字を成果とするのではなく、その映像が本来果たすべき役割から、何を評価するべきかを考える。

KPIは映像の価値を決めるものではなく、その価値の一部を検証するための指標として使うべきでしょう。

そして、視聴者に具体的な行動を求める映像では、KPIを考える前に「どのような行動を期待するのか」を設計する必要があります。

その考え方がCTA(Call To Action)です。


合わせて読みたい

→ 「CTAとは」

→視聴者維持率



最終更新日

2026年8月7日 14:52:32

執筆者・神野富三

名古屋の映像制作会社・株式会社SynApps代表取締役プロデューサー

シナリオ・演出・編集まで一貫して手がける映像プロデューサー・ディレクターとして40年にわたり映像制作に携わりながら

​ビジネス映像制作のノウハウを伝承する「名古屋映像設計研究所」を主宰

 執筆者ブログ「映像制作ガイドブック」

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