MPEG-2(エムペグツー)
MPEG-2(エムペグ・ツー)とは、映像や音声をデジタルデータとし て圧縮・記録・伝送するための国際規格です。1990年代に実用化され、DVD-Videoやデジタルテレビ放送などに広く採用されました。現在は、映像圧縮方式としてはH.264/AVCやH.265/HEVCなどが主流ですが、DVD-Videoでは現在もMPEG-2 Videoが使われています。また、デジタル放送では、映像圧縮とは別にMPEG-2 Systemsの仕組みが現在も利用されています。
映像信号については、1フレームごとの画像を単純に圧縮するだけでなく、前後のフレームとの違いを利用する「フレーム間圧縮」を行います。映像の中で変化していない部分を繰り返し記録しないことで、データ量を大幅に減らすことができます。
MPEG-2 Videoでは、Iフレーム、Pフレーム、Bフレームと呼ばれる異なる種類のフレームを組み合わせて映像を圧縮します。
Iフレーム:そのフレーム単独で画像を再現できる
Pフレーム:過去のフレームとの差分を利用する
Bフレーム:前後のフレームを参照して差分を記録する
この仕組みによって、当時のテレビ放送品質の映像を、数Mbps程度のデータ量で扱えるようになりました。
MPEG-2の何が画期的だったのか
MPEG-2が登場した1990年代前半、非圧縮のデジタル映像は非常に大きなデータ量を必要とし、光ディスクへの長時間記録やデジタル放送には現実的ではありませんでした。
MPEG-2は、当時主流だったSDテレビ映像を、実用的な画質を維持しながら大幅に圧縮しました。これによって、映画を1枚のDVDに収録したり、テレビ映像をデジタル信号として放送したりすることが現実のものとなりました。
注意したいのは、MPEG-2によって映像そのものが高精細になったわけではないという点です。DVD-Videoの場合、代表的な映像サイズはNTSC系で720×480ピクセル、PAL系で720×576ピクセルで、いずれもSD映像です。
画期的だったのは、テレビ品質の動画を、記録媒体や通信回線で現実的に扱えるデータ量まで圧縮できたことでした。
映像制作の現場から
現在の動画圧縮との違い
MPEG-2は現在から見ると圧縮効率の低い方式です。
現在MP4ファイルなどで広く使われているH.264/AVCでは、同程度の見た目の画質なら、MPEG-2のおよそ半分程度のビットレートで済む場合があります。H.265/HEVCでは、さらに小さなデータ量で同程度の画質を得ることができます。
ただし、MPEG-2が登場した当時には、圧縮効率だけでなく、当時のハードウェアでリアルタイムに圧縮・再生できることも重要でした。
MPEG-2は、重くて送ることができなかった巨大な映像データを、自在に記録・配信・放送できるデジタルコンテンツへと変えた画期的な技術でした。
最終更新日
2026年10月16日 16:43:45
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