top of page

タイムリマップ

ノンリニア編集およびモーショングラフィックス制作において、映像クリップの時間軸(フレームの再生タイミング)をキーフレームを用いて自由にコントロールする機能です。

タイムリマップを説明している画像

単にクリップ全体の再生速度を一律に変更(例:全体を200%にする、または50%にする)する「速度・時間長(Speed/Duration)」調整とは異なり、1つのクリップ内で連続的に再生速度を可変(可変速)させられることが本質的な機能です。



技術的・演出的な3つの構成要素


  1. 時間軸のカーブ制御(速度勾配) 時間(Time)とフレーム(Position)の関係をグラフ化し、キーフレーム間の補間カーブ(イージング)を調整することで、等速・倍速・スローモーション・フリーズフレーム(停止)・逆再生をシームレスかつグラデーション状に切り替えます。      この急激な速度変化となめらかな遷移は、映像演出においてスピードランプ(Speed Ramp)と呼ばれます。

  2. 時間補間(Frame Interpolation) 再生速度を落とした際、元素材のフレームレートを超える部分のコマ不足を補うため、以下の技術的処理と連携します。 フレームサンプリング / フレームブレンディング: 前後のコマを重ね合わせて補間。 オプティカルフロー(Optical      Flow): ベクトル解析により存在しない中間フレームをピクセル単位で自動生成し、滑らかなスローを再現。

  3. アンカーポイント(同期点)の保持 速度変化に伴うクリップ全体の長さ(デュレーション)の伸縮を制御しつつ、「見せたい一瞬(決定的なフレーム)」の絶対的なタイミングを音軌(BGM/SE)や他トラックのカット点にピンポイントで合致させることができます。


速度を滑らかに変化させる


速度を100%から急に20%へ切り替えると、動きの変化が唐突に見えることがあります。タイムリマップでは、キーフレーム間の速度変化を滑らかにつなぎ、徐々に減速したり、徐々に加速したりできます。

このような速度変化にも、時間補間やベジェ曲線の考え方が使われます。

映像制作の現場から


1. スローモーションと「フレーム補間」


― なぜ動きがカクつくのか? どう補うのか?

動画を大幅にスロー再生すると、撮影時には存在しなかった「本来あるはずのコマ(フレーム)」が足りなくなり、動きがカクついて(コマ落ちのように)見えてしまいます。

編集ソフトは、この足りないコマを埋めるために以下の3つの方法(時間補間)で補います。


· フレームを繰り返す(フレームサンプリング) 

同じコマをそのまま2回・3回と連続表示する方法です。処理は最速ですが、スローにするほどカクつきが目立ちます。


· 前後のフレームを重ね合わせる(フレームブレンディング) 

前後のコマを薄く重ねて残像(ブレ)を作る方法です。カクつきは抑えられますが、全体的に残像感のある二重像に見えることがあります。


· 存在しない中間フレームを自動生成する(オプティカルフロー) 

画面内のピクセルの動き(ベクトル)を解析し、「前後のコマの間にあったはずの新しいコマ」をAIや計算によって作り出す方法です。非常に滑らかな超スローモーションが作れますが、被写体が複雑に動くと映像の一部が伸びたり歪んだりする(アーティファクト)ことがあります。



2. 「タイムリマップ」と「時間補間」の違い


― 混同しやすい2つの言葉をスッキリ整理

どちらも「時間」や「補間」という言葉を使いますが、操作している対象(何を変化させているか)が根本的に異なります。


① タイムリマップ(時間の再配置)

· 操作対象:映像の再生位置(どのコマをいつ見せるか)

· 役割: 素材そのものの時間の進み方を自由に変える機能です。

· イメージ: レコード盤を手で回して、再生速度を速めたり、遅くしたり、逆再生したりする感覚です。「位置」や「不透明度」といったパラメーターではなく、「動画の再生位置(タイムコード)」そのものをキーフレームでコントロールします。



② 時間補間(変化の滑らかさ)

· 操作対象:キーフレームとキーフレームの「つなぎ方」

· 役割: 点(キーフレームA)から点(キーフレームB)へ、値がどのように変化していくかの変化の仕方を決める計算方法です。

· イメージ: 単調な一定速度で変化させるのか(リニア)、じわっと動き出してじわっと止まるのか(イージング)という「変化のカーブ」を描く作業です。

最終更新日

2026年10月16日 16:43:45

閲覧数 0

bottom of page