イージングとは
キーフレーム間の値の変化に加速や減速をつけることです。一定速度で変化するリニア補間に 対して、イージングを使うと、オブジェクトの動き始めや停止付近の速度を滑らかに変化させることができます。
たとえば、停止しているオブジェクトが移動を始める場合、最初から一定速度で動かすのではなく、停止状態から徐々に加速させます。停止するときは、一定速度から徐々に減速して速度を0にします。
イージングは時間補間
イージングの操作が調整するのは、時間に対する値や速度の変化です。
オブジェクトの位置をアニメーションさせる場合でも、イージングによって変わるのは移動経路ではなく、その経路上を進む速度です。直線上を移動する場合でも、曲線上を移動する場合でもイージングを設定できます。
位置、拡大・縮小、回転、不透明度、エフェクトの数値など、時間によって変化するさまざまなプロパティに適用できます。
リニア補間との違い
リニアな時間補間では、キーフレーム間の値が一定の割合で変化します。
位置のアニメーションなら一定速度で移動します。
イージングでは、その変化率を時間の途中で変えます。
リニア
一定の割合で変化する
イージング
加速や減速を伴って変化する
イージングは時間補間であり、画面上の移動経路を決める空間補間とは別のものです。
イーズインとイーズアウト
一般的なアニメーション用語では、次の意味で使われます。
イーズイン(Ease In)
変化の開始をゆっくりさせ、徐々に速くします。
イーズアウト(Ease Out)
速く変化を始め、終了に近づくにつれてゆっくりにします。
イーズイン・アウト(Ease In Out)
ゆっくり始まり、途中で速くなり、終了に近づくと再びゆっくりになります。
ここでの「イン」「アウト」は、1つのアニメーション区間の開始側と終了側を表しています。
キーフレームを基準にしたEase In/Ease Out
Premiere ProやAfter Effectsのデスクトップ版では、Ease In/Ease Outを、選択したキーフレームの前後を基準にした名称として使っています。
Ease In
そのキーフレームへ向かう側の変化を緩やかにします。
Ease Out
そのキーフレームから離れる側の変化を緩やかにします。
たとえば、
A ───────── B
という2つのキーフレームがあり、Aから動き始めてBで停止させる場合、Adobeのキーフレーム操作では、
A側にEase Out
B側にEase In
を使用します。
この呼び方では、「In」「Out」はアニメーション区間全体の開始・終了ではなく、選択したキーフレームに対する前後を表しています。
AdobeのEase I / Ease Outは逆の場合も
Ease In/Ease Outは、ソフトや機能によって名称の基準が異なります。
一般的なタイミング関数では、Ease Inは「開始をゆっくり」、Ease Outは「終了をゆっくり」という意味で使われます。
一方、Premiere ProやAfter Effectsのキーフレーム補間では、個々のキーフレームを基準にIn/Outを区別します。操作するときは、アニメーション区間を基準にした名称なのか、キーフレームを基準にした名称なのかを確認する必要があります。
ベジェ補間との関係
イージングによる時間的な変化は、ベジェ曲線を使って調整できます。
値グラフや速度グラフ上のベジェハンドルを操作することで、加速や減速の強さ、変化するタイミングなどを細かく設定できます。
イージングは時間的な変化の付け方を表し、ベジェ補間はその変化を曲線として制御する方法のひとつです。
映像制作の現場から
なぜ「イージング」の技術を知っていた方がいいのか
かつてこうした「補間」「ベジェ」「イージング」など細部に関わる映像知識は、主にエディターやCG制作者が知っていればよい技術でした。しかし現在は、文字や図形の動き、停止の仕方、移動経路、変化のタイミングまで含めて映像品質として管理する必要があります。
短尺化、印象重視の映像制作が増える中で、画面上のわずかな動きや速度変化が、映像全体の印象を左右するようになっているからです。
さらに動画生成AIが映像制作ビジネスに入り、制作者自身がキーフレームやベジェハンドルを直接操作しない場面も増えています。だからこそ、ディレクターやプロデューサーであっても、時間補間、空間補間、リニア補間、ベジェ補間、イージング、パスといった概念を自覚的に理解しておくことが重要です。自分で操作しなくても、生成された動きの良否を判断し、何をどう直すべきかを指示するための基礎知識になるからです。
最終更新日
2026年9月21日 11:19:50

