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パスとは

ノンリニア映像編集におけるパスとは、移動する道筋や図形・マスクの輪郭などを表す線のことです。ただしパスは操作局面によって意味が変わります。操作画面に「Path」とだけ表示されている場合は、どの機能に属するパスなのかを慎重に確認する必要があります。

パスのイメージ

モーションパス

映像、画像、文字、図形などを移動させるとき、そのオブジェクトが通る経路を「モーションパス」と呼びます。位置のキーフレームを複数設定すると、その間を結ぶ経路がパスとして表示されます。直線だけでなく、ベジェ曲線を使って弧を描くような移動経路にもできます。

このパスの形は「空間補間」に関わるパスです。


マスクパス

映像の一部分を囲み、表示・非表示の範囲を指定する輪郭線を「マスクパス」と呼びます。マスクの形を変えると、その輪郭を表すパスも変化します。時間の異なる位置でパスの形を変更すれば、マスクそのものをアニメーションさせることもできます。


シェイプパス

図形の輪郭を作るパスです。直線や曲線を組み合わせて形を作り、アンカーポイントやベジェハンドルを操作して輪郭を調整します。


ベジェ曲線とパス

曲線のパスには、ベジェ曲線が広く使われています。モーションパスなら移動経路の曲がり方、マスクパスやシェイプパスなら輪郭の曲がり方を、ベジェハンドルによって調整します。


ファイルパス

「ファイルパス」は編集操作とは別の意味です。

これは映像素材やプロジェクトファイルが、コンピューター内のどこに保存されているかを示す経路を指します。画面上の移動経路や輪郭とは関係ありません。


「Path」だけでは意味が決まらない

映像編集ソフトでは、「Path」という同じ言葉がさまざまな異なる機能に使われています。

位置に関する項目なら移動経路、マスクなら輪郭、図形なら形状、素材管理ならファイルの保存場所を指します。

映像制作の現場から


なぜ「パス」の技術を知っていた方がいいのか


かつてこうした「補間」「ベジェ」「イージング」など細部に関わる映像知識は、主にエディターやCG制作者が知っていればよい技術でした。しかし現在は、文字や図形の動き、停止の仕方、移動経路、変化のタイミングまで含めて映像品質として管理する必要があります。

短尺化、印象重視の映像制作が増える中で、画面上のわずかな動きや速度変化が、映像全体の印象を左右するようになっているからです。


さらに動画生成AIが映像制作ビジネスに入り、制作者自身がキーフレームベジェハンドルを直接操作しない場面も増えています。だからこそ、ディレクターやプロデューサーであっても、時間補間空間補間リニア補間ベジェ補間イージングパスといった概念を自覚的に理解しておくことが重要です。自分で操作しなくても、生成された動きの良否を判断し、何をどう直すべきかを指示するための基礎知識になるからです。

最終更新日

2026年9月21日 11:50:02

執筆者・神野富三

名古屋の映像制作会社・株式会社SynApps代表取締役プロデューサー

シナリオ・演出・編集まで一貫して手がける映像プロデューサー・ディレクターとして40年にわたり映像制作に携わりながら

​ビジネス映像制作のノウハウを伝承する「名古屋映像設計研究所」を主宰

 執筆者ブログ「映像制作ガイドブック」

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