プレスコ
映像を制作する前に台詞や音楽などの音を先に収録し、その音に合わせて映像を作る方法です。現在 は主にアニメーションで「声を先に録る方式」と説明されますが、その原点は少し異なります。
プレスコは「プレ・スコアリング」
プレスコは pre-scoring(プレ・スコアリング) を略した日本の映像制作用語です。
現在は、声優の台詞を先に収録し、その演技に合わせてキャラクターの表情や口の動きなどを作る方法として知られています。
現在では、声を先に録るプレスコ ↔ 映像を先に作るアフレコという対比が一般的ですが、プレスコとアフレコは、もともと対になって生まれた用語ではありません。
pre-scoringという言葉の原点にある score は、音声収録そのものではなく、楽譜や音楽を意味する言葉です。
トーキー映画が登場した1920年代末から1930年代、ミュージカルやアニメーションでは、音楽を先に作って録音し、その音を再生しながら撮影したり、音楽に合わせてアニメーションを制作したりする方法が用いられるようになりました。
初期のアニメーションでは、音楽のテンポから拍の間隔を決め、それをフィルムのフレーム数に置き換えてキャラクターの動きを設計する方法も発達します。
つまり、音楽 → テンポ・リズム → 映像の動きという順序です。
つまり、プレスコの原点は、単純に「声を先に録ること」ではなく、音を先に定め、それを基準に映像の動きやタイミングを作ることにありました。
その後、アニメーションにおいて台詞を先に収録し、声優の演技や間に合わせて作画する方法にも、このプレスコという呼称が使われるようになります。
映像制作の現場から
モーショングラフィック/インフォグラフィック動画もプレスコが最適
近年定番化したビジネス映像における二次元アニメーション手法は、ナレーションや声優の声のタイミングとモーションが、フレーム単位での同期を求められるため、喋りを先に録音して、映像はその声に合わせて作成していくプレスコ手法のほうが、作画工程、モーション工程に無駄がなく、期間が短縮できます。
ナレーション原稿を確定し、先にナレーションを収録する。そして、その声の長さ、話す速度、間、アクセントに合わせてモーションを作ります。逆に映像を先に完成させてしまうと、「この文章が3秒に収まらない」「ここだけ早口になる」「画が余る」といった問題が起こります。
音声を先に確定することで、映像制作者は単に完成尺を知るだけではありません。映像をどの速度で展開し、どこで動かし、どこで止め、どこで一呼吸置くかという基準を得ることができます。
現在では生成AIによるナレーションも精度が高いため、生成AIの音声に合わせて映像を完成させたのち、あらためて人間の声で録音するという方法も定着しています。
最終更新日
2026年8月24日 15:17:23

