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プレスコ

まず音声を収録し、その後でそれに合わせて映像を制作していく手法で、「アフレコ」の逆の工程を踏みます。プレスコ(プレ・スコアリング/ Pre-scoring)は、主にアニメーション制作で使用される手法で、映像を作る前に先に声の収録を行う方式です。

プレスコを解説するイメージ(監修・神野富三)

プレスコの大きな利点は、声優が自由に演技できることで、感情の起伏や間の取り方を自然に表現できるため、より生き生きとした演技が可能になります。



具体的な工程


  1. まず声優が台本に基づいて演技を収録します。この際、アニメーションはまだ存在していません。

  2. 収録された音声データをもとに、キャラクターの口パクや動きのタイミングを決めていきます。これにより、キャラクターの動きを音声に完璧に同期させることができます。

  3. アニメーターは、この音声に合わせて絵コンテやレイアウトを作成し、実際のアニメーション作業を進めていきます。


これは通常の実写映画での「アフレコ」(アフター・レコーディング)と対照的な手法です。アフレコは映像が完成してから声を録音しますが、プレスコは逆の工程を取ります。




プレスコの利点


  • 声優の演技の自然なリズムやテンポに合わせてアニメーションを作れる

  • キャラクターの感情表現をより豊かに映像化できる

  • 音声と映像の同期が取りやすい



一方で、プレスコには以下のような課題もあります


  • 制作工程が複雑になる

  • 後から音声を修正することが難しい

  • より綿密な事前計画が必要


日本のアニメーション業界では、スケジュールの都合や制作効率の観点から、一般的にアフレコ方式が採用されることが多いですが、特に表現の精度を重視する作品ではプレスコが選ばれることもあります。

仮の音声で映像を完成させたのち、あらためて人間の声で吹き替える(アテレコ)という方法も定着しています。

映像制作会社としての視点


モーショングラフィック/インフォグラフィック動画もプレスコが最適


近年定番化したビジネス映像における二次元アニメーション手法は、ナレーションや声優の声のタイミングとモーションが、フレーム単位での同期を求められるため、喋りを先に録音して、映像はその声に合わせて作成していくプレスコ手法のほうが、作画工程、モーション工程に無駄がなく、期間が短縮できます。

もっとも、現在では生成AIによるナレーションも精度が高いため、生成AIの音声に合わせて映像を完成させたのち、あらためて人間の声で吹き替える(アテレコ)という方法も定着しています。

執筆者・神野富三

名古屋の映像制作会社・株式会社SynApps代表取締役プロデューサー

シナリオ・演出・編集まで一貫して手がける映像プロデューサー・ディレクターとして40年にわたり映像制作に携わる

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